こんにちは。ぴんのすけです。
これは何ヶ月か前のことなんですけど、
ある日、私が尊敬するCFOの先生と
電話でお話しする機会があって、
色々と勉強になる話を聞かせて頂いていました。
で、そろそろ通話終わるかなって時に、
「最後に何か質問したいことある?」と
お声をかけていただけたので、
「私みたいに将来幸せになりたいけど、
何したらいいかわからない大学生に向けて
おすすめの本があれば教えてください!」
って質問したんです。
そしたら、まさに
私の悩みを解消させる本を
紹介してもらいました。
その本というのがこちら。
幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」
(著:橘玲)
私は最初に表紙だけ見たとき
「なんか自己啓発本っぽいな」
って印象を持ちました。
白いし、文字めっちゃあるし。
でも実際の中身はむしろ
精神論的なものは一切なく、
経済的な観点から「幸せ」の条件を
突き詰めて話している本でした。
自己啓発本って大体は
「幸せになりたいなら行動しろ」って結論で
終わっていることが多いと思うんですけど、
『幸福の資本論』では
「幸せになるにはどう行動すればいいのか」を
経済的な視点から解説しているので、
幸せを突き詰める本気度は
表紙のシンプルさとは裏腹に
めちゃくちゃ堅実で具体的です。
本書に出てくる
幸せの行動指針があまりにもガチなので、
早くにこの本の存在を知ってる人ほど
残りの人生が有利になりすぎると思います。
私と同じ悩みを持つ人、
本気で幸せになりたい人、
逆にすでに幸せである人、
特に、人生の分岐点に立っている学生の方には
ぜひ早くに知ってもらいたい一冊です。
この本を知ってもらいあまり、
勢いに任せて6000文字は打ち込んでいます。
熱意が熱すぎるかもしれないので
途中で休憩を区切りながら
読んでもらうといいかもしれません。
それでは気合い入れてレビューしていきましょう。
『幸福への資本論』の作者、橘玲さんについて
『幸福への資本論』を書いた橘玲さんは
国際金融に関する本を執筆している
現役の作家さんです。
早稲田大学を卒業後、
出版社で編集者を経験して
雑誌の編集長まで勤めた後に退職しました。
その後は出版社時代の
非合法の脱税に関する経験を基に、
国際金融を取り入れた小説
「マネーロンダリング」を執筆して小説家デビュー。
それ以降は国際金融に関する本を多数発行しており、
中でも経済と人生設計に関する本は
Kindleでおすすめ書籍として
紹介されるほどの人気を誇っています。
そんな「お金と幸せ」の関係を
知り尽くした橘さんの本を読んで
確実に幸せになる人生の設計法を学んでみませんか。
幸せは何で出来ているのか
この本を通して幸せを得るために
特に大事だな思ったのが、
「幸せとは一体何で出来ているのか?」
を知ることです。
世の中には
お金あっても、
恋人や家族がいても、
仕事をしていても、
幸せではない人がたくさんいます。
だけど、中には、
お金がないけど、
恋人や家族がいないけど、
仕事をしてないけど、
人生が幸せという人もたくさんいます。
彼を大きく区別しているモノの正体は
一体なんなのでしょうか?
そのヒントに本の中で橘さんは
「幸福は土台の上に作らなければならない」
と話しています。
これは、
どんなに幸福な環境を手に入れても、
「幸せ」の土台がめちゃくちゃだったら
ちょっとのことで「幸せ」は瓦解していく、
という話で、
例えば、いまあなたの住みたい
理想的な家を想像してもらいたいんですけど、
暖かな木造仕立ての家だったり、
機械が家事手伝いをしてくれるハイテクな家だったり、
お金持ちが住むような豪華な家だったり、
素敵な家が頭に浮かびでいませんか?
…でも、実はその家
家の土台となる設計がめちゃくちゃなので、
ちょっとの衝撃ですぐに倒壊してしまいます。
そんな家、どんなに良い家であっても
絶対に住みたくないですよね。
逆に土台がしっかりしている家は
内装がどうであれ、長いこと安心して暮らせます。
「幸せ」もそれと同じで、
土台をしっかりと設計していれば、
長いこと幸せに生きていけるということです。
私もこの本を読むまでは
「幸せ」について深く考えないまま
漠然と生きていたので、
幸せの土台はボロボロのスカスカ状態でした。
じゃあ、その「幸せの土台」って
何で出来ていて、どうやって作ったら良いのか
知りたいですよね。
橘さんはその答えに、
- 金融資産→お金
- 人的資本→お金を稼ぐ能力(仕事)
- 社会資本→人間関係
この3つこそが
幸せになるための必須条件として挙げています。
でもこれ、お金も仕事も人間関係も、
全部手に入れたら幸せになれますよ。
ってことです。
…ハードルが無茶苦茶高くないですか?
そんなチート状態手に入れたら
そりゃ誰でも幸せになれるわ、と思いますよね。
ところが同時に本書では
「この3つの条件うち、2つを満たせば幸せの土台は作れる」
とも話しています。
つまり、
- お金はないけど、仕事と人間関係が充実している。
- 仕事は上手くいかないけど、人間関係とお金は充実している。
- 人間関係は薄いけど、お金と仕事が充実している。
このうちのどれかに当てはまれば
十分幸せな人生が送れます。
どちらか二つ達成すればいいだけなら、
3つ全部手に入れるより現実的になったと思います。
ハードルが下がって少し安心しました。
逆に、この3つのうち
1つしか満たしていない状態が最も危険だと
橘さんは言います。
なぜかというと、
残った資本がほんの些細なキッカケで崩れた時、
人は簡単に最貧困状態に陥るからです。
例えばこれは私が夜間学校にいた頃の話ですが、
私の母校では毎年、
義務教育を学び直そうと入学してくる
おじいちゃんおばあちゃんが数人いました。
ですが、せっかく入学できたのに、
年金が底を尽きてとか、
転んで体壊してとか、
配偶者が亡くなったからとか、
何らかのキッカケで
卒業前に退学される方が必ず出てくるのです。
とはいっても退学するだけなので
その人がその後人生不幸になったのかって言ったら
そこはちょっとわからないんですけど、
せっかく勇気出して受験して合格して、
お金払って、時間使って、毎日学校に来ていたのに
突然全部捨てないといけないわけですから
どの方もとても悲しそうに退学していかれます。
このように、
些細なキッカケで
日常が壊れてしまった人を
私は何度か間近で見てきたので、
1つの資本だけで生きていくのが
どれだけ脆く危険な幸せなのか
よくわかります。
なので、これから幸せになりたいって人は
できるだけ資本の柱を1つだけじゃなく、
2つ立てるようにしてみてください。
そうすればどちらか片方が崩れても、
もう片方が生きていたら
人生はすぐに立て直すことができます。
些細なキッカケで崩れても
すぐに立て直せる頑丈な土台。
これこそ、最もハードルが低く、
幸せで堅実な人生設計を作るために
必要なモノと言えるのではないでしょうか。
お金=自由
突然ですが、お金さえあれば人は自由になります。
本の中で、橘さんが
「自由とは何者にも属さないこと、
属さないためには、自分一人生きるのに十分な資産を持つ必要がある」
と話している通り、
自由とお金の関係は切っても切れない
非常に重要な関係であることがわかります。
そして、一人で生きるのに
十分な資産を持てている状態のことを
「経済的自立」と呼ぶらしいです。
つまり、「経済的自立」を達成すれば
私たちはお金の悩みから解放されるんですね。
だけどそれって
決して簡単なことではありません。
ぴんのすけもお金を稼ぐために
塾のバイトでコツコツと働いていますが、
正直なところ経済的自立を達成できる勢いで
貯まってはいません。
お金の世界って
想像以上に思い通りにいかないし
本当に世知辛いと思います。
ですが、そんな世知辛い世界に対して橘さんは
「今の時代、努力次第で貧困者でも億万長者になれる。
逆に貧困であることはその人の自己責任」
と、答えています。
これがどういうことなのかというと、
1970年代のアメリカでは
貧困層の出身から努力したおかげで
富裕層に這い上がった人が多かった
という話が元になっています。
実のところ、この話には
倹約したお金の貯蓄で経済的自立を達成する
というロジックが含まれていますが、
そうでなくとも
この経済豊かな日本社会に生まれて、
特別な才能とかは関係なく
勉強と倹約とやることをやっていれば、
今や誰でも経済的自立のゴールに
辿り着けるそうです。
実際、今まで私が出会ってきた人の中にも
パソコン一本で経済的自立を勝ち取ってきた人が
ゴロゴロいました。
彼らはみんな、元々貧困層からスタートして
そこから血の滲む努力をしまくったゴールに
お金の自由を手に入れています。
私は実際にこういう人たちに会ってみて
初めてわかったんですけど、
現代でも努力次第で
貧困者が億万長者になれると言う話は
決して絵空事ではないと思うんですね。
加えて、お金で得られる幸福度には
一定の限界があることが判明しています。
これはある一定までお金を稼ぐと
それ以上になっても幸せを感じなくなるという話で、
例えるなら夏の暑い日に
冷たいカルピスを飲んだら最高に美味しいですが、
2杯、3杯…とおかわりするにつれて
段々と味が落ちていくのと同じ現象だそうです。
一旦お金から自由になると、
人はどれだけお金が増えても
感じる幸福度が変わらなくなる…
それはお金さえあれば
必ず人生に幸福感が得られることの
裏返しになっています。
この事実があるからこそ、
お金の存在が人生を幸せにする
最も確実な方法であると言えるのでしょう。
一見すると、お金の幸せは
3つの条件の中で一番ハードルが高いように
感じるかもしれませんが、
社会的な地位などの生まれ持ったものが
這い上がる妨げにならないことは
先人たちが証明しています。
なのでスタートラインは関係ありません。
ただ一つ関係するのは
努力に費やす時間や体力が
どれだけあるかです。
お金の幸せが
努力さえすれば最も確実に手に入る
身近な手段だとわかった今、
お金で幸せを手に入れる手段は
時間とエネルギーという
唯一無二の武器を持つ私たち若者とって、
一番有利なスタートダッシュなのかもしれません。
人的資本をどう使うか?
「最も重要な『富の源泉』は人的資本である」
と、橘さんは本の中で話しています。
人的資本とは「お金を稼ぐ能力」のことで、
体が丈夫なうちは
みんな色々な方法で仕事をして
人的資本を使っています。
なので簡単な話、
人的資本をすべて使い切ってしまうと
働けなくなってしまうんですね。
例えば歳をとると
出来る仕事に限度があるので、
そこに至るまでの
人的資本の使い方によっては
年金生活なのか、十分な貯蓄があるのかが、
老後の豊かさにも雲泥の差を作ります。
だから時間と共にすり減る人的資本が
最も重要な資本なわけです。
で、人的資本を上手く使うには
仕事選びが重要です。
この本には
こんな仕事選びのルールが書かれています↓
- 収入が高いこと
- 安定していること
- 自己実現ができる仕事であること
この3つのルールを守れば
経済的に豊かで幸せな仕事を選べているそうです。
今の自分の仕事と照らし合わせてみて
いかがだったでしょうか?
私はこれを聞いて
「自己実現」が
最も重要だなと思いました。
ちなみに自己実現っていうのは
自分の持っている力を発揮して
自分らしく生きることで、
簡単に言えば「やりがい」のことを指します。
私は過去にお給料の高さと安定さに惹かれて
結婚式場のスタッフバイトをしてたんですけど、
そこがめちゃくちゃハードな職場でした。
あの時は精神ヤバかったです。
バイトをしている人の中には
似たような経験をした方も
いるんじゃないでしょうか。
なので仕事選びからやりがいを度外視すると
私みたいに大変な目に合います。
そして本書の中でも
仕事の選び方には
「好きなことに人的資本の全てを投入する」
という答えを出しています。
これは給料や安定な業種で
仕事を選ぶよりも、
自己実現を満たす仕事が
最も幸福度に関係するということです。
ですがこれにはもう一つ理由があります。
というのもこの本では
知識のみで労働者を選ぶビジネスモデル、
すなわち知識社会化が
この先やってくると予想しているのです。
つまり、今までの日本社会が
この先通用しなくなってくるんですね。
知識のない人は
年功序列関係なく脱落していきますし、
知識があれば
国籍や障害関係なく雇われていきます。
救われる人がいる一方で
救われない人も必ず出てきます。
これには不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
この知識社会化を生き残るには
得意分野を持つ個人が組織に対して
優位性を持つ必要があるといいます。
だからこそ、得意分野を得るため、
好きなことにお金、成長、努力、と
人的資本の全てをそこに投入する必要があるのです。
もし今好きなことがある人は
それに全力投球してみてください。
逆にもし好きなことがないって人は
子供の頃好きだったことを思い出して
全力投球してみてください。
もしかしたらそれがこれからの知識社会で
仕事にやりがいを感じる
一番の近道になると思います。
幸せは人間関係からしか生まれない
幸せは人間関係からでしか生まれないため、
極端な話、良い人間関係を設計すれば
最も簡単に幸せを実現することができるそうです。
だけど実際のところ、
人間関係で幸せになる人より
不幸になる人が多い気がしませんか?
昔からブラック企業や
学校内のいじめなどが原因で
自殺する人のニュースをよく見かけますよね。
本書曰く
このような事態を避けるためには
人間関係を選択する戦略を
自分に持たせることが重要だそうです。
人間関係には3つの種類があります。
一つ目は家族や恋人との「愛情空間」
二つ目は友人との「友情空間」
三つ目は「貨幣空間」
これはお金のやり取りで繋がっている
他人との空間です。
中でも愛情空間と友情空間は
上司、部下、SNS上の知人など
敵と味方の混合した世界で、
二つ合わせて「政治空間」と呼ばれています。
そしていじめや自殺が起こるのも
この政治空間の中だけだそうです。
では貨幣空間だけは
何も争いが起きないんでしょうか?
政治空間は繋がりが強いゆえに
人間関係の問題が起こります。
しかし、
お金で繋がっているだけの貨幣空間は
人間関係の繋がりが非常に弱いため
深刻な問題は起きません。
例えばAmazonで買い物してても
売り手は家族や友達ではないので
突然喧嘩を吹っかけたりはしませんよね。
このように貨幣空間では
大抵は顔も知らない不特定多数の誰かと
お金のやり取りをしてるので
問題に発展しようがありません。
このことから人間関係で
悩むことを辞めた人たちの多くは
政治空間の人間関係を一切断ち、
必要最低限の家族と恋人だけを残して
あとは全て貨幣空間に置き換える戦略を
とっているそうです。
私は友達関係で悩んだことがあったので、
この話を聞いてすごくびっくりしました。
友情空間をマルっと貨幣空間に置き換えて
大丈夫なんでしょうか?
ですが橘さんが言うには、
むしろこうすることで
自分から人間関係を選べるメリットがあるそうです。
何より、一度だけの強い痛みよりも
弱い痛みが持続する方が
幸福度を大きく引き下げることがわかっているため、
人間関係のトラブルにおいては
組織の中で嫌いな人に何度も会うよりも
一度の大きな別れがあるだけの関係性の方が
幸福度を引き下げません。
もし人間関係に悩んでいる人は
「強いつながり」を恋人や家族に最小化して、
友情含めそれ以外の関係は全て
信用をお金に置き換えてみましょう。
親しい人をたくさん作らない代わりに
喜びを失うことで悲しまなくてもいい生き方を
人生の選択肢に入れるのは、
私は大いにアリだと思います。
『幸福の資本論』まとめ
私は今まで「幸せになりたい」と
漠然的に願って生きてきました。
ですが幸せになるには
何をしたらいいかわからず、
これまでお金も仕事も
人間関係も失敗してばかりでした。
そんな時だからこそ
この本は幸せになるには
何を努力すべきか教えてくれます。
『幸福の資本論』の最後には
こんな人生戦略が書かれています。
- 「好きなこと」に人的資本の全てを投資する
- 会社組織では生み出せないスキルを独占する
- 組織から脱し、自由に人間関係を選択する
今やYouTuberやインスタグラマーなど、
一部で組織を抜け出し
独自のスキルを使って発信する
クリエイターが多い時代となりました。
この本の初版は2017年ですが、
著者は以前から今の時代の生き方を
先見していたのだと思います。
この本で追求されているのは
いかに合理的に不幸を理解して
いかに合理的に幸せを手に入れるか。
おそらくこれから先も
この本で示されている生き方が
幸せな人生を送る王道パターンに
なるのではないでしょうか。
これから本気で幸せになろうとする人には
とても参考になる一冊ですし、
すでに幸せである人も
この本はきっと役に立つと思います。
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